研究目的

本研究の目的は、以下の四点に関する考究・開発を通じて、情報化時代に対応した新たな 中国学の研究・教育基盤を確立することにある。

  1. 中国学デジタルリソース情報の集約・分析
  2. 中国学基礎共有コンテンツの整備
  3. 電子文献分析手法の考究と分析ソフトの開発
  4. デジタル時代に対応した中国学・中国語学教育方法の考究・実践

1. 着想に至った経緯

研究代表者・二階堂、および研究分担者はいずれも、漢字文献情報処理研究会の中核メンバーとして、『電脳中国学』・『電脳中国学Ⅱ』、および会誌『漢字文献情報処理研究』の刊行などを通じ、国内外における中国学電子化の動態や情報化に対応した研究方法などについて、10年以上にわたり研究・発信につとめてきた。

振り返ると、中国学研究の情報化は、1990年代後半、インターネットの普及とともに進展してきた。台湾中央研究院の漢籍電子文に続き、中国で『四庫全書』・『四部叢刊』電子版、中国基本古籍庫などが続々と開発され、いまや中国古典文献のかなりの部分が電子化され、検索できるようになっている。またWindowsなどのOS、またUnicodeなどの文字規格の進化によって、パソコンでの多言語・多漢字処理が容易になったこともあり、中国学におけるパソコン・インターネットの利用はごく当たり前のことになっている。

しかし、現在の中国学研究におけるコンピュータやデジタルリソースの活用方法は、多くが文書作成にワープロソフトを利用し、単純に字句を検索するというレベルに留まっている。例えば、多くのデータベースでは検索候補を効率的に絞り込むための検索条件設定方法があり、また電子テキストから一定のパターンや傾向を析出するNgramなどの手法があること等はあまり知られておらず、現状ではデジタルリソースを有効に活用できているとは言い難い。

一方、そうしたデジタル的分析手法は情報化に興味を持つ研究者が個別に試みている状況で、情報の集約がなされていないし、分析手法の妥当性に対する検証も必ずしも充分とはいえない。また、そうした文献分析に用いるツールは、一般のアプリケーションソフトではなく、Perlスクリプトなどの形で提供されているため、使いこなすにはかなり高度なコンピュータの知識が必要となり、多くの研究者にとって近寄りがたいものになっているのも事実である。

かかる現状に鑑み、情報化時代に対応した中国学研究方法を考究するとともに、その情


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